微生物による熱エネルギー発生装置 - 特開平9−234446

  B 処理操作 運輸 / B09 固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生

発明の名称 微生物による熱エネルギー発生装置
発明者 【氏名】西 正成

課題・構成 【目的】
【構成】【特許請求の範囲】

【請求項1】 高熱を自力発熱する微生物と有機廃棄物を入れる処理槽内に、攪拌装置を設けると共に、処理槽内に空気を供給する空気噴出ノズルを設け、これを空気供給管を介してコンプレッサーに接続し、処理槽内の温度を検出する温度センサーに接続して前記攪拌装置の運転・停止を制御する制御装置を設けると共に、処理槽の排ガスを排出する排気管を設け、この排気管をボイラーや焼却室などの燃焼室のバーナーに接続して、このバーナーに近接して着火バーナーを設けて、排ガス中に含まれる可燃性ガスや炭化物粉を燃焼することを特徴とする微生物による熱エネルギー発生装置。
【請求項2】 空気を処理槽内に供給する空気供給管にヒーターを取付けたことを特徴とする請求項1記載の微生物による熱エネルギー発生装置。
【請求項3】 処理槽の側壁に水タンクを形成し、この水タンクに連通する循環パイプを燃焼室内の熱交換器に接続したことを特徴とする請求項1または2記載の微生物による熱エネルギー発生装置。

【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機物を微生物により、高温で短時間に炭化処理し、炭化処理の過程で発生する排ガスを燃焼させて熱エネルギーに転換する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生ごみなどの廃棄物は、通常、焼却炉で処分しているが、水分を多量に含む食品廃棄物などは埋め立て処理などにより処分されている。また焼却炉で焼却した時に出る排熱を熱エネルギーとして利用している所もあるが、この焼却による方法では、焼却灰の処理や、煤煙処理などの問題がある。
【0003】また近年、微生物を利用して生ごみなどを発酵させて有機肥料にすることも行なわれているが、この方法では発酵に長時間かかり、また事業所などの有機肥料を必要としない所では、生産された有機肥料を利用できず、またその販売などのルートが確立できず処分に困っているところも多い。特に豆腐の製造工場で排出されるオカラは分解発酵しにくく堆肥化するのに3日程度かかり、このため現状では大部分が埋め立て処分されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を除去し、有機廃棄物を微生物により高温で炭化させ、この時発生する排ガスと炭化物粉を 300℃程度に燃焼させて有機物を短時間で処理すると共に熱エネルギーに転換し、有機廃棄物の処理に伴う残留物が殆どなく、排ガスによる悪臭や煙の発生もないので市街地にある施設や農業用ハウスの暖房などにも使用できる微生物による熱エネルギー発生装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の微生物による熱エネルギー発生装置は、 高熱を自力発熱する微生物と有機廃棄物を入れる処理槽内に、攪拌装置を設けると共に、処理槽内に空気を供給する空気噴出ノズルを設け、これを空気供給管を介してコンプレッサーに接続し、処理槽内の温度を検出する温度センサーに接続して前記攪拌装置の運転・停止を制御する制御装置を設けると共に、処理槽の排ガスを排出する排気管を設け、この排気管をボイラーや焼却室などの燃焼室のバーナーに接続して、このバーナーに近接して着火バーナーを設けて、排ガス中に含まれる可燃性ガスや炭化物粉を燃焼することを特徴とするものである。
【0006】本発明の処理装置により有機廃棄物を炭化処理する場合、先ず処理槽内に微生物を混ぜた菌床を入れる。次に制御装置の温度設定を行なってから処理槽内に有機廃棄物を投入する。この後、攪拌装置を運転して微生物を混ぜた菌床と有機廃棄物を撹拌しながら同時にコンプレッサーを運転し、ここから空気を有機廃棄物に供給する。
【0007】このように空気を供給しながら攪拌装置で有機廃棄物を撹拌すると、ここに含まれる微生物は空気中の窒素ガスや酸素を吸収して自力発熱して温度が次第に上昇し、これを温度センサーで検知すると、この測定信号を制御装置に出力して攪拌装置を停止させる。攪拌装置が停止すると微生物は安定を取り戻して急激に温度が上昇する。このようにして設定した温度に達すると、温度センサーがこれを検知して、その測定信号を制御装置に出力し、ここから駆動信号が攪拌装置に出力されて再び攪拌を開始し、微生物は安定を失って温度が下降する。このように攪拌装置の作動・停止を繰り返しながら所定の温度範囲で有機廃棄物の炭化が進行する。
【0008】また有機廃棄物から蒸発した水蒸気や可燃性のガスなどの排ガスは、排気管を通ってボイラーや焼却室の燃焼室に設けたバーナーに供給される。一方、バーナーに近接して設けた着火バーナーに液化天然ガスを供給して、ここに点火すると燃焼してその炎がバーナーの上に噴射される。バーナーからは排ガスが噴出しているので、ここに含まれる可燃性のガスや炭化物粉が、着火バーナーの炎により着火されて燃焼し、熱エネルギーとして利用することができる。
【0009】また有機廃棄物の炭化が進んで来ると、処理槽内にはコンプレッサーで空気を供給しながら攪拌しているので、排ガス中には炭化した微粉が含まれ、これが排ガスと共に燃焼室に送られ、ここで着火バーナーにより着火されて燃焼するので、残留物や煙の発生もなく、水蒸気も完全に蒸発し、しかも悪臭を完全に除去することができる。
【0010】また請求項2記載の発明は、空気を処理槽内に供給するガス供給管にヒーターを取付けたことを特徴とするもので、加熱した空気を供給することにより、処理槽内に投入した微生物の自力発熱を促進するもので、発熱する温度を温度センサーで検出してヒーターを停止させる。
【0011】また請求項3記載の発明は、処理槽の側壁に水タンクを形成し、この水タンクに連通する循環パイプを燃焼室の熱交換器に接続したことを特徴とするもので、処理槽内の有機廃棄物が発酵して上昇した温度の熱エネルギーを利用できると共に、有機廃棄物から発生した可燃性ガスや炭化物粉を燃焼させて、この熱エネルギーも利用して効率よく温水や蒸気を得るようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図1を参照して詳細に説明する。図において1は処理槽、2は処理槽1内に設けた攪拌装置、3は処理槽1内に設けた空気噴出ノズル、4は空気を供給するコンプレッサーである。前記処理槽1の外周には水タンク5が形成され、処理槽1の上部には排気管6が取付けられている。また処理槽1の排気管6の横には生ごみ8を処理槽1内に投入する投入シューター9が設けられ、投入シューター9と処理槽1の上部との間には遮蔽板10が開閉自在に取付けられている。
【0013】また前記攪拌装置2は、処理槽1の中央部にシャフト12が立設され、この外周に複数枚の撹拌羽根13…が取付けられている。またシャフト12の下部側は処理槽1の底面を貫通して基台14に支持されている。15はモーターで、これは減速器16に接続され、ここに取付けたチェーンホイール17と前記シャフト12の下部に取付けたチェーンホイール18とがチェーン19で連結されている。
【0014】また基台14に取付けられたコンプレッサー4には空気供給管21が接続され、この先端は処理槽1の底部側に導かれ、この先端部が空気噴出ノズル3となっている。また空気供給管21の中間には棒状ヒーター22が設けられている。更に処理槽1内の下部には、内部の温度を測定する温度センサー23が取付けられ、これは図示しない制御装置を介して前記攪拌装置2に接続され、攪拌装置2の作動・停止の運転を制御するようになっている。なお24は水タンク5に設けられた給水管、25は給湯管である。
【0015】また水タンク5の隣には燃焼釜28が設置されている。この燃焼釜28の燃焼室29には、水タンク5に接続した循環パイプ30が蛇行して配置され熱交換器31が形成されている。また熱交換器31の下方には排気管6に接続するバーナー32が設けられ、更にこれに近接して着火バーナー33が設けられ、これはプロパンガスボンベ34に接続されている。
【0016】次に上記構造の微生物による熱エネルギー発生装置により生ごみ8を処理する方法について説明する。先ず処理槽1内に窒素や酸素を吸収して有機廃棄物を炭化させる微生物を混ぜた菌床を入れる。次に図示しない制御装置の温度設定を行なう。この制御装置では例えば処理槽1内の最高温度を 300℃に設定すると、内部温度がこれに達すると攪拌装置2が作動して、これより50℃マイナスの 250℃になると再び攪拌装置2が停止するようになっている。
【0017】この後、投入シューター9から生ごみ8を入れると遮蔽板10が回動して、ここから処理槽1内に投入される。一方、モーター15を回転させて、これを減速器16で減速し、この回転力をチェーンホイール17からチェーン19を介してチェーンホイール18に伝達してシャフト12を回転させると、攪拌装置2の撹拌羽根13…が回転して微生物を混ぜた菌床と生ごみ8が撹拌される。また同時にコンプレッサー4を運転して、ここから空気を空気供給管21に供給し、中間に設けた棒状ヒーター22で空気を約50℃程度に加熱して空気噴出ノズル3から処理槽1内に噴出させて生ごみ8に供給する。
【0018】このように加熱した空気を供給しながら攪拌装置2で生ごみ8を撹拌すると、ここに含まれる微生物は空気中の窒素分や酸素分を吸収して自力発熱し温度が上昇する。80℃に達したら攪拌装置2の作動を停止させると微生物の自力発熱が促進され、 110℃になったら棒状ヒーター22への通電を停止して空気だけを供給する。微生物の自力発熱により生ごみ8が炭化していく過程で処理槽1内の温度が上昇してくるが、この外周は水タンク5に囲まれているので、内部の水が加熱されて温度が上昇していく。
【0019】また蒸発した水蒸気や可燃性のガスなどの排ガス35は、処理槽1の上部に設けた排気管6を通って燃焼釜28のバーナー32に供給される。一方、バーナー32に近接して設けた着火バーナー33にプロパンガスボンベ34からプロパンガスを供給してここに点火すると、プロパンガスが燃焼してその炎がバーナー32の上に噴射される。バーナー32からは排ガス35が噴出しているので、ここに含まれる可燃性のガスや炭化物が、着火バーナー33の炎により着火されて燃焼する。高温の炎は燃焼室29内の熱交換器31と接触して、この内部を循環する水が加熱されて温水となり循環パイプ30を通って水タンク5に戻される。
【0020】この後、更に温度が上昇して、設定した 300℃になるとこれを温度センサー23が検知して、その測定信号が制御装置に出力され、ここから始動信号が攪拌装置2に出力されて作動が開始される。このように攪拌装置2の作動によって生ごみ8が攪拌されると、微生物は安定を失って活動が抑えられ、処理槽1内の温度が次第に低下してくる。温度が 250℃まで低下したらこれを温度センサー23で検知して、攪拌装置2を停止させると微生物は安定を取り戻して活動が活発となり処理槽1内の温度が上昇していく。
【0021】この状態をグラフで示すと図2のようになり、処理槽1内の温度が 250〜 300℃の範囲に調整されて、生ごみ8の炭化が進行していく。生ごみ8は通常水分の含有量が80%はあり、この水分を除去して更に炭化させると同時にコンプレッサー4で空気を供給しているので炭化物粉は排ガス35と共に排出される。
【0022】なおこの場合、排ガス35は高温になっているので可燃性ガスの燃焼は容易である。また排ガス35中には炭化した微粉が含まれ、これが排ガス35と共に燃焼室29に送られ、ここで着火バーナー33により着火されて燃焼するので、煙が排出されず、悪臭も除去されるので、市街地にある施設でも使用することができる。従って、処理槽1内にはバッチ式で運転した場合、炭化物も残留せず、従来のように灰などの残留物の処理の手間を省くことができる。
【0023】図3は本発明の他の実施の形態を示すもので、処理槽1はその壁面が断熱材36で形成され、内部に設けた攪拌装置2やこれを駆動する機構、およびコンプレッサー4による空気の供給機構などは図1に示すものと同様である。処理槽1の隣にはボイラー37が設置され、この燃焼室29の上には水ドラム39が設けられ、ここを燃焼室29に連通する複数本の煙管40…が上方に貫通している。また水ドラム39の下方の燃焼室29には、排気管6に接続するバーナー32が設けられ、更にこれに近接して着火バーナー33が設けられ、これはプロパンガスボンベ34に接続されている。
【0024】上記構成の微生物による熱エネルギー発生装置では、投入シューター9から処理槽1内に生ごみ8を投入する。またモーター15により攪拌装置2の撹拌羽根13…を回転させて微生物を混ぜた菌床と生ごみ8を撹拌すると同時に、コンプレッサー4を運転してここから空気を空気供給管21に供給し、中間に設けた棒状ヒーター22で空気を加熱して空気噴出ノズル3から処理槽1内に噴出させて微生物に供給する。
【0025】このように加熱した空気を供給しながら攪拌装置2で生ごみ8を撹拌し、微生物の活性化を促して温度を上昇させる。温度が80℃になった次点で攪拌装置2の運転を停止し、微生物の活性化を促し、そのまま一気に 300℃まで上昇させる。このようにして 250〜 300℃の間で温度を調整する。この過程で発生する水蒸気や可燃性のガスなどの排ガス35は、排気管6を通ってボイラー37の燃焼室29に設けたバーナー32に供給される。一方、バーナー32に近接して設けた着火バーナー33にプロパンガスボンベ34からガスを供給して、ここに点火すると、プロパンガスが燃焼してその炎がバーナー32の上に噴射される。バーナー32からは排ガス35が噴出しているので、ここに含まれる可燃性のガスや炭化物粉が、着火バーナー33の炎により着火されて燃焼する。高温の炎は煙管40…を上昇し、水ドラム39内の水を加熱して蒸気にすることができる。
【0026】なお上記説明では、生ごみ8をバッチ式で処理槽1に投入する場合について示したがコンベアーやバケットで連続的に供給しても良い。また有機廃棄物としては生ごみに限らず、オカラなどを処理することができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る微生物による熱エネルギー発生装置によれば、熱エネルギーを発生するための手段として、産業界や農水産業界などで排出される有機廃棄物を微生物の特性を利用して、熱エネルギーに転換することにより、畜産廃棄物、農業廃棄物、豆腐のオカラなどの食品廃棄物など種々の有機廃棄物の処理を容易にすると共に、ボイラーの熱源、農業用ハウスの暖房などに広く何処でも利用することができる。しかも発生した可燃性ガスを含む排ガスと炭化物粉を燃焼させるので、残留物もなく、排ガスによる悪臭や煙の発生もないので市街地にある施設や農業用ハウスでも使用することができる。
特許の簡易説明 91117158
【氏名又は名称】西 正成
【識別番号】592025395
【氏名又は名称】伊藤 トミ
【識別番号】396017589
【氏名又は名称】神谷 成章
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機物を微生物により、高温で短時間に炭化処理し、炭化処理の過程で発生する排ガスを燃焼させて熱エネルギーに転換する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生ごみなどの廃棄物は、通常、焼却炉で処分しているが、水分を多量に含む食品廃棄物などは埋め立て処理などにより処分されている。また焼却炉で焼却した時に出る排熱を熱エネルギーとして利用している所もあるが、この焼却による方法では、焼却灰の処理や、煤煙処理などの問題がある。
【0003】また近年、微生物を利用して生ごみなどを発酵させて有機肥料にすることも行なわれているが、この方法では発酵に長時間かかり、また事業所などの有機肥料を必要としない所では、生産された有機肥料を利用できず、またその販売などのルートが確立できず処分に困っているところも多い。特に豆腐の製造工場で排出されるオカラは分解発酵しにくく堆肥化するのに3日程度かかり、このため現状では大部分が埋め立て処分されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を除去し、有機廃棄物
出願人 【識別番号】591117158
【氏名又は名称】西 正成
【識別番号】592025395
【氏名又は名称】伊藤 トミ
【識別番号】396017589
【氏名又は名称】神谷 成章
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 勝郎
出願番号 特願平8−73242 公開番号 特開平9−234446
出願日 平成8年(1996)3月4日 公開日 平成9年(1997)9月9日
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